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旅の出来事やライブの日々

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旅の記録や印象に残った出来事を綴ります。

2006年5月4日 ヒッピーな街

険しい道に揺られる。すごい勢いでなにも無くなっていく。見えるのは山と川だけ。

こちらに来てから時間の感覚をほとんど持たないで生活している。それでもこの3時間半の道のりはかなりきつかった。暑いし揺れるし。丸一日シャワーも浴びておらず。 シゲくんが美味しいよと勧めてくれた名物のフランスパンも食べられなかった。

ボロボロになりながらもなんとか到着。すぐ近くのゲストハウスにチェックイン。

でもなんだか、門を入った途端様子がおかしい。みんな動きが遅いんですけど。

店員がおらず、ロビー?のようなところに行き尋ねると、ゆーっくり起き上がりのそのそと誰かを探しに行く。そのうち、またのーんびりと従業員がやってきて。

「サバイディ〜(こんにちわ〜)。エアコンとファンとどっちがい〜い?」と聞かれる。私はエアコン、シゲくんはファン、と言い。

先にファンの部屋を見てみる。綺麗で涼しい。値段が倍違うので、“じゃあ、私もファンの部屋にしよ。他に空いてる?”と聞くと、「ちょっと待っててね〜」と、 またゆっくりオフィスに戻り鍵を持ってくる。

こちらの部屋もかなり広い。ダブルベッドとシングルベッド。“一人で泊まるんだよ?”というと、「値段一緒だから広いほうがいいでしょ〜」

無事チェックイン。なによりもまずシャワー。
シャワーを浴び、大きなベッドに寝転がると先ほどまでの疲労が嘘のように、元気が出てきた。

街を散歩してみる。山の中なのに暑い。でも、シゲくんが以前来た時によく来ていたという川沿いに建つ壁の無い座敷のレストランでパイナップルシェイクを飲むと、 どんどん汗が引いていき。なにもない、のんびりした時間が流れていく。

人といてもいなくても、喋っても喋らなくてもいい感じがすごく良い。この場所は、みんなが好んでそういう場所を作り上げている感じがする。ラオス人の国民性なのだろうか。

すごく小さいけれど、繁華街があり。欧米人がたくさん。ヒッピーもいた。

サイケデリックな壁画が描かれている店が何軒かあり、かなり私好み。その店のどれもが、座敷スタイルで、寝転がれるようにクッションがたくさん置いてある。
みんな寝転んでのびのびしながら食事やお酒を楽しんでいる。

この街好き!疲れも忘れ、この街の虜になった。

ゲストハウスに戻り、従業員に“国際電話使える?”と聞いてみる。「え?あぁ〜、今壊れてるんだよね〜」

“じゃあ、どこかに電話ある?”と聞くと、街に公衆電話があると言う。行って見ると、確かにある。しかも英語と日本語で説明書きまである。

ここに来るまでラオスのことを何も知らなかったし今も何も知らないけれど、わりと日本人来るんだ。と、その通りにやってみる。

−かからない・・・

よーく受話器に耳をあて、聞いてみる。

−音さえなってない。

他の公衆電話も回ってみたけど、全部壊れており。連絡が取れない寂しさを残しつつ、この適当な感じに共感と居心地のよさを感じずにはいられなかったVang Vien一日目。

Vangvienにあるヒッピーな店

写真は、Vangvienにあるヒッピーな店。ピザがものすごくおいしく、食べた後寝転がることができる。

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2006年5月5日 Kangaroo Sunset

朝早く目覚め、散歩をする。

昼は暑いが朝と夜は驚くほど涼しく、心地いい。工事現場の人たちも、朝は涼しいからか、早くから工事をしている。

現在、道路は赤土のまま。見渡す限りの山。静かに流れる川。小さな繁華街と少ない人。
しかし、今道路工事をしてるということは、これから何年か後に再び訪れた時、この土の道はコンクリートになっているということだろう。 もしかしたら観光客で溢れ、ビルまで建っているかも知れない。そう思うと、勝手だけど無性に寂しくなった。

実際、シゲくんが4年前に訪れた時に比べるとこれでも全然栄えてしまったと言う。

川沿いのレストランでまた、パイナップルシェイク。こちらのシェイクは、日本のマックとかにあるようなものではなく、かき氷みたいでさっぱりしている。本当に美味しい。

お腹も空いたので、はまってしまったカオニャオと呼ばれるもち米と、スープを注文。ゆっくりとした動きで注文をとってくれる女の子。

メニューを見ながら今日は何を試そうかと迷っていると、横に座りのーんびりと私が決めるのを待ってくれる。

“ありがとう、はラオス語でなんていうの?”と聞くと、「コップンチャーイだよ」と、教えてくれた。
タイ語に似ている。何度か発音を直され、発音できると優しく微笑みご飯を作りに戻っていった。

午後はシゲくんおすすめの天然プールへ。山の中、大きな吊り橋の向こうに公園があり。その中にプールのように形作られた川があると言う。

大自然の中にできた一角のプール。その小さな一角を辿っていくと川に繋がっている。荒々しい岩場もあり、その下には洞窟が。

私は泳げないので行けなかったけれど、みんな頭にライトを付け、その暗い奥まで泳いで行っている。

聞くと、100m近くあり。奥はもっと水が澄んでいて綺麗らしい。
何時間そこにいただろう。岩に座り、暑くなったら水に浸かる。時間と自分が一体になったようで。空気の流れを感じるように、その空間を楽しんだ。

そこに、日本人の女の子がいた。会社を辞め旅をしていて、今はその旅でニュージーランドに行った時に出会ったイギリス人の彼と一緒に旅をしていると言う。

そういえばカンチャナブリにも、旅をするために何年もお金を貯め、今まさにその時を楽しんでいる女の子に出会った。“旅はいつまで?”と聞くと、 「わかんない」と、笑っていたっけ。

その子としばらく話す。出会ったばかりなのに共通の話題がたくさんあり、お互いの話すことにこんなに共感できるってすごいことだよなぁと、話しながら感動していた。

人も増えてきたのでそろそろ戻ることにする。プールにいるときは寒いくらいだけど、上がるとやっぱり暑い。

ビール飲みたいねぇと歩いていると、一軒のレストランが。「COLD BEER!」と書いてある。

残念ながら、タイでもラオスでも、日本のジョッキみたいに凍るほど冷えたものに出会っていない。でも、“ちょっと信じてみる?”と、そこへ入ってみることに。
店の中にふたり女の子がいる。“ほんとに冷えてる?”と冷やかしながらBeer LAOを注文。本当に冷えていた。

いやぁー最高だね!と気持ちよく飲む。エミネムが流れており、その雰囲気にとてもマッチしていたので、更に良い気持ちに。

ふと、カウンターのほうへ目をやると、そこにカンガルーのすごくかわいい絵を発見。色がたくさん使われているその絵は私のハートを掴んでしまった。
店員の女の子に、“写真撮っていい?”と聞くと、快くOK。そして、外の看板もあるよ、と教えてくれたので早速観に行くと、少しバージョンの違うカンガルーが。バックには夕日。

そしてその店の名前は、『Kangaroo Sunset』

“この絵はあなたが描いたの?”と聞いてみる。
すると、彼が描いてくれたという。その彼はオーストラリア人。タイに住んでいるので遠距離恋愛中らしい。

少し話し、私はこの子の事がとても好きになった。名前はノーイ。ビールも冷えてるし、ノーイも良い子だし、明日もプールの帰りに寄るねと約束しゲストハウスへ戻る。

タイでもここラオスでも地元の人と触れることが出来たことがたことがとても嬉しい。明日が楽しみ。ノーイともっと話したいと思った。

パイナップルシェイクのお店からみえる景色

写真は、パイナップルシェイクのお店からみえる景色。

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2006年5月6日 歩幅

昨日と同じように早起きして散歩して。気に入った雑貨屋で買い物して、パイナップルシェイクを飲む。

ラオスには、私のタイプの雑貨や洋服がたくさん売っており。お店の数は少ないのに好きなものがたくさんある。
荷物になるからと我慢していた買い物も、旅も終わりに近づき、一気に買う。

タイでは、ディスカウントするのが当たり前だったけれど、ラオスでは誰も吹っかけて来ないのでその必要がない。

また午後からプールへ向かう。今日は旅行者がおらず地元の子供達が遊んでいた。

次々に飛び込み、はしゃいでいる。私たちをみると興味津々に、観察している。と、シゲくんがシャンプーで頭を洗い出した。
私は岩場のほうで涼み、少ししてそちらへ戻ると、いつの間にかシャンプーしてるのが三人に増えていた。

シゲくんはほんと、誰とでも仲良くなってしまう。
その光景がかわいくて、写真を撮る。それを見せるともう、みんな大騒ぎ。撮っては見せ、大騒ぎ、の繰り返し。

そうして遊んでいると段々人も増えてきて、いつの間にか子供達は上がって橋の上からこちらを見下ろしまったりしていた。

しばらくまた、遊んだり涼んだりしていたのだけど、嫌な予感が。お腹が痛くなり上がることに。うぅ・・・、と無念ながら帰ろうとすると、子供達もついて来て。 “一緒に帰ろう”と、みんなで遊びながら帰る。

みんな疲れたのか、段々静かになっていき。私もお腹が痛かったのでゆっくり歩いていた。

視線を感じ横を見ると、その中の大人びた感じの女の子が私の足元をじっと見ながら歩いている。
なんだろう、と思いしばらく見ていると、どうやら私の足の動きを真似しているようだ。

わざと足の動きを変えてみる。そこでやっと見られていたことに気付いたみたいで恥ずかしそうに笑っていた。

自分の小さい頃を思い出した。
大好きな従姉妹のお姉ちゃんがいて、いつも大阪へ帰ると、昼も夜もそのお姉ちゃんにくっついて歩いていて。 歩くときはいつも、お姉ちゃんの足の動きに合わせてがんばって歩いた。そうすることで、大好きなお姉ちゃんに少し近づける感じがしたからだ。

子供たちとバイバイをし、ノーイの店の前を通ると閉まっている。お腹も痛いし、夜にまた来ようと部屋へ。戻った途端、すごい痛みに襲われる。
薬を飲み、寝てしまおうとするが、眠れない。気を紛らわせようと、好きな曲を聴いてみる。

すると、急に涙が止まらなくなってしまった。痛くて悔しくて、切なくて。色んな気持ちがごちゃごちゃに混じって、とても心細くなり。
自分でもどんな気持ちなのか整理できず、それでもいつの間にか眠ってしまった。

川で遊んだ子供たちとの帰り道

写真は、川で遊んだ子供たちとの帰り道。

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2006年5月6日 美しいひと

夕方まで寝て、痛みも大分治まったのでノーイのところへ。

ノーイは笑顔で迎えてくれ、「今日はどんな日だった?」と聞いてくれる。ご飯を食べていなかったのでメニューを見せてもらう。
どれも美味しそうだったのでオススメを聞いてみる。「ちょっと来て」と言われ、冷蔵庫までついていくと、中には“たまご豆腐”が。これでスープを作ってくれると言う。

ノーイが調理してくれている間、シゲくんと色んな話をした。 こうやって、人と向き合っているうちに自然と自分と向き合っていて、自分の言葉が自分にいちばん響いたりすることがある。

続々と料理が運ばれてくる。フライドチキンライス、シーフードサラダ、たまご豆腐と野菜のスープ。どれも美味しい!

ご飯を作り終わると昨日と同じ席に座り、デザートの勉強をしている。邪魔しちゃ悪いかなぁ、と思いつつも、Vangvieng最後の夜にノーイと話したかったので、 “一緒に飲まない?”と聞いてみる。

すると、ものすごく嬉しそうな顔になり、「ちょっと待ってて!」とキッチンへ。戻ってきた手には、テキーラとライム&ソルト。

真暗闇の中に見える山と川を眺め、お酒を飲みながら三人でお互いの話をする。彼女はアルバムを見せながら、彼との距離がたまに不安になること、 でも彼が自分に送ってくれる絵がとても嬉しいこと、ひとりで切り盛りするこの店はたまに大変なことなどを話してくれた。

とても悲しい話もしてくれた。でも彼女は、自分の足でしっかり立っていることを感じさせる人だった。

ノーイと話していて、思い出す人がいた。彼女もまた、目を背けず、変わらずまっすぐ立っていた。頭ではなんとでも考えられるし、言葉にするのは容易いこと。 でもそれを、心で習得している人がきっと、こういう風に見えるんだろう。それは、乗り越えたとかではなく現実を受け入れているということなのだと感じた。

でも、その見えない心にものすごく深い傷があることを思うと、そういう人たちを本当に美しいと思う。

折角知り会ったのにもう、明日バンコクへ戻らないといけない。この旅でたくさんの人に出会ったけれど、ノーイとはなにか強いつながりを感じ、 絶対にまた会えると思い、昨日買ったお気に入りのブレスレットを渡した。

それをとても喜んでくれ、明日の朝渡したいものがあるからバスが出る前に来て欲しいと言われた。明日の朝、会うことを約束してまた、バイバイをした。

カンガルーサンセットとノーイ

写真は、カンガルーサンセットとノーイ。

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2006年5月7日 別れ

朝の6時に起床。

書きたいことが多すぎて追いついていなかった日記を整理する。
早起きのおかげで最後にパイナップルシェイク飲み納めができた。それから街を散歩しながら、思えば毎日買い物をしていた雑貨屋でまた買い物。
雑貨屋の店員さんとも顔見知りになり、今日バンコクに戻ることを伝えると、ブレスレットをプレゼントしてくれた。

ノーイにお別れを言いに行く。

9時前なのに今日は暑いねと歩いていると後ろからTUKTUKが。シゲくんがふざけてぶつかるフリをすると、少し前で止まり。 黒いハットを被った、ラオス人にしては彫りの深い、よく言えばジョニーデップ似の兄ちゃんが振り返り、私たちをみる。次の瞬間、

「ナンデヤネン!」

お腹を抱えて道ばたでふたりで笑い転げる。ほんと、最後まで笑わせてくれる街だ。

ノーイの店は既に開いており、笑顔で迎えてくれる。
コーヒーを飲みながら、まだ知らないことをお互い質問しあう。まだまだたくさん話したいことがある。

生まれた街はどんな街?どんな家族がいて、初恋はいつ?どんな人と時間を過ごしてきたの?

時間が迫り、ノーイは私たちにプレゼントをくれた。ペンダント。ただただ嬉しい。
また絶対来るから、この店で待っててね、と約束しサヨナラをした。

旅はいつも、サヨナラばっかりだな。ノーイと別れたら、また寂しくなってしまった。でもまた会える予感しかしないから大丈夫。

この街が大好き。きっとまた訪れよう。

サンセット

写真は、サンセット。

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2006年5月7日 チェンマイのこと PART1

さて!長いバンコクまでの道。気合いを入れて、気持ちを入れ替える。
帰りは、ゲストハウスからバンコクの安宿街、カオサン通りまで直行のVIPバスを予約しておいた。

ゲストハウスに貼ってあるポスターには、でかでかとピカピカのバス。その様は、まさにVIP。
でもここはラオス。店員に、「ほんとにちゃんとバス来るの?時間は?こんな写真載せといて実際はちっちゃいんじゃないの?」と質問攻めする。

のんびりと大丈夫大丈夫と笑う店員。と、お迎えのミニバスがちゃんと来た。国境越えのため、やはり乗り継いで行くらしい。

それにしてもいいキャラだった店員と、何人かいた日本人に手を振り乗り込む。
12人乗りのバン。
何時間揺られたのだろう、バスが止まり降ろされる。

ーここはどこ?

国境でもないし、バスターミナルでもない。一緒に乗っていた人たちも唖然としている。ひとりが運転手さんに質問していたので一緒に聞いてみる。 手には地図を持っている。運転手さん、英語は話せない・・でも次のバスは17時、と言っている。今は13時。

あの店員、やっぱり適当なやつだなー、こんなとこで降ろされるなんて聞いてないし。その人に地図をもらい、そこへ向かうことに。でも、本当に合ってるのかかなり不安。

でもそれしか手がかりがないのでそこへ。確かにその場所にはバスが。そこで聞いてみると、そのバスはバンコクへは行かないとのこと。
どうしたものか・・。でも暑いし重いし疲れたのでひとまず座る。私たちの横に、先ほどバスに乗っていたアメリカ人が来た。

「君たちもチェンマイ行くの?」と聞いてきた。“チェンマイ〜??行かないよそんな遠いとこ!バンコクバンコク!”と答えるとまた、「同じバス?」と聞いてくる。
こっちが聞きたいよ、と思っているとシゲくんが「Maybe」とふざける。チェンマイは本当に焦った顔で、 「僕は“maybe”なんて言葉が聞きたいわけじゃないんだ!確かな情報をくれよ!」と言ってきた。この人ちょっと面白いな。と少し癒される。

彼は、私たちじゃだめだと思ったらしく、informationへ向かって行った。私も聞いてみようと思い、後からそこへ。私と入れ替えでチェンマイが出て行った。
informationで聞くと、やっぱり間違っており。VIPバスを出している旅行会社が裏通りにあるから、そこへ行くといいよ、と親切に教えてくれた。

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2006年5月7日 チェンマイのこと PART2

言われた通りその代理店に着くとそこにはまたチェンマイが。なにやら細かく聞いている。

「バスは何時に発車して何時にどこに着くの?乗り換えはもうない?本当に大丈夫???」

かなり疑いの目を持ち店員に接しているのがひしひしと伝わってくる。アメリカ人ってもっと自信家でさ、大雑把じゃない?と思いながらチェンマイの行動から目が離せない。 シゲくんに、“彼、心配してちょー細かく聞いてる(笑)”というと、友達はチェンマイの肩をパンパンと叩き、

「Don't worry.」

みんな同じように思っていたらしく、店中大笑い。チェンマイは苦笑い。

色々確認してやっと安心したらしく、やっとソファに座り落ち着いた様子。でもチェンマイのことを笑っている私もかなり不安。シゲくんはなんとかなるよとのんびりしているし。

店員さんに何時に出発か聞いてみる。「4時半よ」と言われる。“ここから?”“また乗り換えある?”と続けて聞く。すると横からチェンマイが、

「Don't worry!」

してやったりというような笑顔。悔しい。

バスの時間まで、TVでムエタイを見たり、買い物をしながらバスを待つ。その間にチェンマイと少し話す。 彼はサンフランシスコ出身の学生で、これから7週間チェンマイからマレーシアまで旅をすると言う。

4時半。ちゃんと来た。けどまたミニバス。いつになったらあのVIPバスに会えるんだろう。でも仕方がないので乗り込む。 目印にバンコク行きの人には赤いシール、チェンマイだけ黄色いシールを渡される。

バスの中にはとてもとても柄の悪い関西人3人組が。なぜかシゲくんがが喋っている。でもどう見ても素人じゃない様子。

しばらく乗るとまた、降ろされる。また、待っててなどと言い残し運転手はどこかに行ってしまった。

あ、チェンマイ・・。と彼を見るとやっぱり焦っている。

シゲくんが面白がってがまたからかっている。関西人が、「どうしたん?」と聞いたので「こいつチェンマイ行くんだってー」とシゲくんが伝えると、

「チェンマイ?!」と驚き、次に、「チェンマイ行きのバスはあれやで」と、目の前に停まっていたボロッボロのミニバスを指す。初対面で普通、そういうこと言うかーと大笑い。

そしてその冗談に苦笑いし、チェンマイはまたどこかへ質問しに行ってしまった。戻ってきたので“大丈夫だった?”と聞くと、うん、と言い、関西人に「君のバスはあれだってよ」と、 さっきのバスを指している。

そしてやっと、国境越え。ラオスの出国手続きをし、バスに乗りタイへ。タイで入国手続きの手続きのために降り、手続き終了。

やっと終わった!と席に戻る。窓際から、シゲくん・私、通路はさんでチェンマイ・関西人が座っていた。なのに関西人のところに知らないタイ人が。 チェンマイが焦って「ここは君の席じゃないよ」と言う。

また巻き込まれてるよ、としばし観察。関西人が戻って来て、「そこ俺の席やで。どけや。」と言うとすんなりどくタイ人。チェンマイ思いっきりなめられている様子。 仕方ないので話に入って行き、チケットを見ると私の前の席。でも中国人のおばちゃんが座ってる。「おばちゃんに聞いてみれば?」とタイ人に言ってみるチェンマイ。すると、

「お前が聞いてきて」とチェンマイに行かせようとするタイ人。「ぼ、僕?なんで??」と焦るチェンマイ。

やっとのことでVIPバスに乗り換え。チェンマイ行きは違うバスだったので、人混みに紛れてチェンマイは見えなくなってしまった。お別れを言えなかったのが心残り。 マレーシアまで尾行して、彼の周りでなにが起こるのか知りたい気持ちでいっぱいだった。

結局名前も知らないその彼は、今頃どこかでまた、焦って旅を続けていることでしょう。

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