音写ス旅ロゴ

旅の出来事やライブの日々

  1. top
  2. note
  3. Bangkok01
  4. Kanchanaburi
  5. Bangkok02
  6. Vang vien
  7. Bangkok03

旅の記録や印象に残った出来事を綴ります。

2006年4月30日 KANCHANABURI

ガイドブックをパラパラめくっていると、“蝶の飛び交う7つの滝”というキーワードが目に入り、カンチャナブリーという街へ行くことに決める。

朝のバスでバンコクから3時間。値段はたったの84バーツ。(250円くらい)
始発だったので空いていて2シートを一人で占領。クーラーも効いていて快適だわーと思っていると、次から次へと人が。仕舞いには私と隣の若い女の子の間に小さな女の子が座っていたり。

それも全部バスの主、女車掌が陽気に、大声で指示を出しながらどんどん手際よく詰めて行く。
「あんたはココ。違う!この線に立って、そしてココにつかまりなさいっ」という具合。

外を見ながら、すごい勢いで英語表記が全く無くなっていくことに気付く。バンコクでは辛うじて主要看板には英語表記があったけど、少し不安になる。
しかも、2時間で着くと言ったのになかなか着かない。アナウンスもない。

これはまずいと思い、隣の女の子に「カンチャナブリーはまだ?」と聞いてみる。すると、まだ大丈夫!という笑顔を返してくれ、周りに乗っていたタイ人の兄ちゃんやらおじちゃんもみんな挙って 「まだカンチャナブリーじゃないよ!乗っててだいじょうぶ!」(予想)と100%タイ語で説明してくれる。

お礼を言い、しばらくすると無事に到着。せわしくみんなが降りていく中、先ほど助言をくれた人たちが口々に「ここで降りるんだよ!」と教えてくれる。みんな笑顔。

言葉が通じない中でもこうやってなんのためらいも無く人を助けることが出来るって素敵だな、と思った。

ガイドブックに載っている宿に到着するまでにも、地図は読めても街の表記自体が全く読めない。 セブンイレブンの店員や、屋台の兄ちゃん、遊んでいた子供達に聞きながら20分ほどかけてやっと辿り着いたそこは、降りたバスのターミナルから歩いてたった2分のところだった。

だけど、笑顔で教えてくれる街のみんなに触れられることが出来て、自分の方向音痴を初めて誇りに思った。

そんな街は360度、見渡す限り山が連なっている。

今日から泊まるゲストハウス"カナーン"のオーナーはタイ人女性で、とっても陽気。名前はJOY。とりあえず3日泊まろうかな、と言うと、2日から10日間フェスティバルだからもっといないとだめ!と言われる。

“ちょっと考えてみる”と言い、朝から何も食べておらず腹ペコだったので、“なにかある?”と聞き、フライドライスを即注文。
その前に、とりあえずその荷物を部屋に置いてきなさい。と注意される。なんだか、足を踏み入れて2、3分なのに家みたいな感じ。
そして、出してくれたフライドライスがまた最高!良い旅の予感がした。

いちばん上へ

2006年4月30日 KANCHANABURI

少し街を歩き、連なる山々と散歩する牛たちの姿に、この街が好きだと再確認。
散歩から戻り洗面所で合わないコンタクトレンズと格闘していると、日本人男子が。「こんにちはー」と、なんだか心の壁のない、すぐわかった関西のイントネーション。
無事コンタクトを装着し居間に戻るとまた彼がいた。どうやらバイクを借りて出かけようとしているようだった。あーバイクっていう手もあるのかーと考えているとJOYが、 一緒に行っちゃえば?と提案。

それもそうだねみたいな話になり。結局、会って10分も経たないうちにこの関西人のバイクに乗せてもらい泰緬鉄道を観に行くことに。名前はトオルくん。高知出身で大阪に住む人だった。

何かと共通の話題が多く、すぐに意気投合。橋に着いてからも川沿いでのんびりとお互いのことを話す。聞くと彼は何日か前にここにいて、ミャンマーとの国境にカレン族を観に行ったあと、また戻って来たと言う。

気持ちのよい道をバイクでぐるっと回り、ゲストハウスに戻ると、日本人が7-8人居間でくつろいでいた。ここで出会ったみんなでエラワンの滝に行って来たらしく。トオルくんはみんなと顔見知りだったようで 紹介してもらう。

しかしここで会う人はみんな壁のないウェルカムな人たちばかりだなーとすぐにみんな仲良くなり、夜の街へタイ料理とお酒を求め繰り出した。

カナーンのみんなと酒盛り

写真は、カナーンのみんなと酒盛りの図。

いちばん上へ

2006年5月1日 水上に浮かぶ

夜中まで、ゲストハウスの住人全員が集まり大宴会。馬鹿話やら旅の話、アツイ話やら。とにかくみんなキラキラしていて、本当にいいやつばかり。

でも残念なことに、そこにいるほとんどの人が今日のお昼に旅立ってしまうと言う。それは見送らないとということで、午前中のうちにまたトオルくんに便乗して洞窟へ。

ここは昔、麻薬中毒のお坊さんが旅行者を殺害したとかで有名な洞窟らしく、そのエピソードも手伝ってか、中に入るとひんやり怖い。
それは小高い丘のお寺の中にあり。そこから川が見下ろせて、やけにうるさいなーと思ったら“水上ディスコ”なる船がたくさん出ていた。それは読んで字の如く水の上に浮かぶ船の上にあるディスコで、 爆音の中、地元の若者が踊り狂ってる。結構気持ち良さそう。

そして、帰り道に“MONKEY SCHOOL”なる看板を発見。

猿顔のトオルくんは、「人ごととは思えない」と言うので行ってみる。と、猿が三匹、木につながれているだけ。なんだやっぱそんなもんか・・・と思っていると、お姉さんが看板を指差している。

そこには“MONKEY SHOW!”と書かれており、写真で説明されているのだけれど、うさん臭さ満載。でも折角来たので行ってみることに。

入ると、檻の中に子猿たちがたくさん。かわいー!!と走り寄ると背中に異物感が・・・。

一瞬何が起こったかわからなくなり、周りの笑い声で我に返ると、私に巻きついている子猿が!予想外の出来事に叫びまくっているのに、従業員はニコニコ。

やっとのことで離れて冷静に見るとめちゃくちゃ可愛い!!手を持つとやわらかーい手で握り返して来て、赤ちゃんみたい。抱っこをすると甘えてきたりして本当に可愛い。

が、安心したのも束の間、私のブラブラしたピアスが気に入ったらしく、力いっぱい引っ張る引っ張る。本気で耳が取れそうで。それなのに従業員、今度はワッハッハッ!!と腹を抱えて笑っている。思わず日本語で、 “ワッハッハッじゃねーよ!”それでも笑ってたけど。

ショーも期待を裏切らず子供だましのよう。猿が腹筋したり人命救助したり、ココナッツ取りに木に登ったり。トオルくんが猿に救助されたり。でもその未完成な感じに大爆笑。

思いがけずモンキーショーに大満足した後、みんなとお別れをするためにゲストハウスへ戻る。

仲良くなったみんなが集まれるのはあと1時間くらい。そんな中ひとりの男の子が、「自分の可能性に挑戦したいんすけど!」と、体格がよく日に焼けたコウジくんに腕相撲で挑戦。

それからはもう、熱い腕相撲大会の始まり。次から次へ、彼に挑戦して行く。寝ていた宿のオーナー、ジョーイの旦那様までも起こしてくる騒ぎ。仕舞いにはテーブルが折れるほど。でも彼は全勝。
そして、最後の戦いでテーブルを折ったこうじくんと同じく体格の良いシゲくんは建築関係の仕事をしていたことがあると言い、二人で手際よくテーブルを修理。

大腕相撲大会

そんな中、旅立つ子達のバスが到着。そのまま、熱い感じでみんなとお別れ。ジョーイは旅立つみんなにお別れを言いながら水を渡している。このあったかさが好き。

みんなが去った後、寂しくなりながらも、テーブルを折った町田の元ヤンシゲくんが、前に泊まったゲストハウスが気にいったのでもう一度泊まりたいと移って行った。暇だったので、同じように暇そうだった北海道でロッジを営む マサルくんと見学へ。

そこは、水上に浮かぶコテージ。小さい家がロープでつながれていて、揺ら揺らしている。ベランダのようなところにベンチまであり。一目で気に入ってしまい、明日からここに泊まることを決意。

水上ゲストハウス 水上ゲストハウス

写真は、大腕相撲大会と水上に浮かぶゲストハウス。

いちばん上へ

2006年5月2日 END OF TAIL

カンチャナブリーの観光名所のひとつに“エラワンの滝”というところがある。

なんだかんだ色んな所に行ったりのんびりしてしまった為、一番行きたかったそこへは日数的に行けないなぁと残念に思っていたところ、マサルくんがちょうどそちらの方へ行くからとバイクに乗せて連れて行ってくれる。

そこは映画「ザ・ビーチ」のロケ地になったところでもあり。7つの滝があり、全部登ると1時間位だと言う。ここまでにも2時間くらいかかっているし、体力的に全部は無理かなーと思いつつ登り始めるとひとつひとつの滝がどれも 個性的で美しく、絶対全部観る!という気持ちになって行く。

とは言っても日頃の運動不足がたたり、そして山なのに気温が高く体力が奪われ。結構きつい。 でも、国で保護されているその国立公園はゴミひとつ落ちておらず、地元や地方のタイ人もたくさん訪れていて、みんなに愛されている場所なんだと感じる。

第5の滝は、滑り台のようになった岩がふたつあり、魅力的。ここで泳ぎたいなーとも思ったけど、まずは第7の滝まで制覇してから!と頑張って登り第6の滝まで来て、綺麗だねーと少しのんびり鑑賞。

途中、大きな猿に会うというハプニングがあったものの、いよいよ第7の滝。

近くになるにつれ、先に辿り着いた人の歓声が聞こえて来る。辿り着いたそこは、7つの中で一番大きく“END OF TAIL”と看板が立っており、最後を飾るにふさわしい荘厳な滝だった。
滝も素晴らしいが、その周りの山がもう、赤土むき出しで荒々しい。鍾乳洞もあり、ここまで出来上がる年月の長さを感じさせた。

END OF TAIL

早速そこで泳ぎ、本当は警備員がいて登れないらしい滝の上まで登ってみる。そこには、真っ青な水たまりが。一角だけすごく澄んだ、美しい水だった。

帰り道、夕日が見えるかなーと思っているとちょうどその時が!マサルくんとバイクを止め芝生に座り、山の向こうに落ちて行くのを眺める。その横には、なんとも言えない大きな入道雲が・・。

毎日観たり話したり、結局忙しくて落ち着いて考えたり整理する時間が少なくなってしまったりするけれど、こういう時間に一気に心の中に湧き上がってくるものがある。 湧き上がってくるものが旅の中であるってことは、今、ちゃんといい旅をしているんだな、と確認できた。

あと半分!後悔しないように大切に過ごそう、と改めて誓った。

夕焼けと入道雲

写真は、エラワンの滝と帰りに見えた夕焼けと入道雲。

いちばん上へ

2006年5月2日 終わらない日

滝から戻り、昨晩近所のタイ人たちと飲み過ぎ二日酔いで寝ていたシゲくんを誘い、今日から10日間開かれるというお祭りへ行こうということになる。

昨日の夜、前夜祭を見に行った時はなにもなかった広いお寺に、急に遊園地ができていたりすでにマーケットも開催されていたり大賑わいで。 平日の夜なのにお客さんもたくさん来ていて、どの人もすごく楽しそうに歩いていた。ゲストハウスのオーナー姉妹も後ろから飛び掛って来て、仕事放り出して祭りを楽しんでいた。

そのお祭りが今日から本番なので行こうということになり、ま、でもちょっと疲れたねと川沿いのベランダでのんびりしていた。 橋の向こうに暮れて行く夕日を見ながら、知り合ったばかりでほとんど何も知らなかったお互いのことを話す。

すると突然、ジローラモ似のタイ人が「一緒に飲もうよ!」と話しかけてきた。その後ろには女の子二人男の子一人が。 聞くと、昼間、シゲくんがその一人の女の子に話しかけられ、一緒に写真を撮ってと言われたらしい。

でもなんか怪しいし嫌だと思っていたら、酒やつまみをどんどん目の前に広げて行き、あっと言う間に宴会の準備完了。ますます怪しい。

でもシゲくんとマサルくんは、疑いながらも、ちょっと様子見て危なそうだったら祭りに行くって言えばいいよ。というので、ちょっと様子をみることに。

名前をチャイ、オッ、ナッ、アップルと言い、バンコクに住んでいて遊びに来ていると言う。その中の若い男女二人は付き合っているみたい。 このジローラモ(チャイ)とかわいいオッが、どういう関係なのかよくわからない。

オッは英語が少し話せるけど他の3人はまったく通じない。身振り手振りで話す。段々心が通じてきて、それでもまだ怖いなぁと思いながら飲んでいた。

シゲくんは日本語で、「ねぇほんと、丸裸だけは勘弁してよ。金なら持ってないからね」と、度々日本語で言い。何を喋っているのかわからない彼女たちは「オーケーオーケー!!」と陽気に笑う。

そんな感じで話していくと、悪い人じゃないかも、と思い始めた。楽しい時間が過ぎて行き、私たちはそろそろ祭りへ行こうと話していると、 ジローラモ達は車で来ているからみんなで行こうということになる。

その車は、ジープみたいで荷台がある。ジローラモとオッが前に乗り、残りのみんなは荷台に。カンチャナブリーの街を走る。

ひとり旅をしていて車に乗ることなんて滅多にないし、荷台の風の気持ちいいこと。

お酒と夜風のせいでハイになりながらお祭りに到着。すごい賑わいでみんなすごく嬉しそう。

人数が多いのではぐれないかな?と思っていたら、ジローラモがしっかりみんなを引率。一人が離れるとすぐに呼びに行き、見たいものがあって立ち止まると値段の交渉をしてくれ。 みんなが楽しめるように、ものすごく気を配ってくれていていた。

そこでやっと、彼らが純粋に休みを楽しみに来ていて、大勢で最後のカンチャナブリーの夜を楽しみたかっただけだということに気付いた。疑ってしまって、本当に胸が痛んだ。

ガイドブックには色んな体験や注意を促すことが書いてある。確かにそれも現実。でも、それだけを鵜呑みにして、自分の目で見てないのに決め付けるのは本当に勿体無いと思う。

どこにいても危険はあるし、傷つくこともある。良い出会いもあれば、飛び込んだからこそ経験できることもある。それを導くのも見極めるのも自分自身。

ゲストハウスに戻り、楽しかった夜のお礼を言い、お互いの旅の安全を祈ってサヨナラをした。そして、空を見上げると、タイで全然見えないなぁと毎晩見上げていた星が落ちて来そうなほどに。 天の川まで見える。

こんなにたくさんの星を見たのは人生で初めてだった。芝生に寝転がり、ずっとずっと眺めていた。

カンチャナブリー最後の夜。ここには良い思い出しかない。何もかもが優しく美しく感じられたのは、溢れる自然と、目が合うとニコッと微笑む街の人たちのおかげだと思う。 そんな彼らに接し、自分まで優しくなれた気がした。

チャイ、オッ、ナッ、アップル

写真は、ナッ、アップル、オッ、チャイ。冗談みたいな名前。

つづく。

いちばん上へ

次の地、再びバンコクへ

inserted by FC2 system